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こすることで真皮に黒ずみができる「摩擦黒皮症」

ナイロンタオルなどの硬いもので皮膚をこすると、皮膚が黒ずんでいくことがあり、これを摩擦黒皮症といいます。こすることで皮膚が炎症を起こし、炎症はメラニンを生み出すので、習慣的にこすっているとその部分が黒ずんでいくのです。背中をナイロンタオルでこするために×(クロス)状の黒ずみができてしまった例や、腕・鎖骨などその人の癖で力を入れて洗う部分が黒ずんだ例などが、多数報告されています。摩擦黒皮症は20年以上前に新聞などでも取り上げられ、当時はナイロンタオルはあまり使われなくなりましたが、最近また忘れられ、使われているようです。

摩擦黒皮症は真皮にまでメラニンが落ち込んでおり、消すことはかなり困難です。はっきりしたシミでなくグレーのツイード模様のようなまだらなシミを生じるのが、摩擦黒皮症の特徴です。何年もかけて少しずつ黒ずんでいくので、本人はなかなか気づかずに、かなり進行してしまうこともあります。体を洗うのはナイロン、麻、ボディブラシなどの硬いものを避け、綿などのやわらかいタオルを使うようにしましょう。手で洗うだけという人もいますが、ずっと手で洗っていると角質を十分とりきれず、要するにアカがたまるので、少なくとも週に1、2回はタオルで洗いましょう。

70代以上になれば皮膚も薄くなるので手洗いだけでも大丈夫です。必ずしも石鹸を毎日使う必要はなく、乾燥しない程度に自分で調節して洗いましょう。なお、絹のタオルという人もいますが、絹はものによっては刺激になります。絹は高級なイメージがありますが、着物やスカーフとは違うので、体を洗う素材として必ずしも絹がよいとはいえません。絹糸は丈夫で硬いので、編地の状態によっては肌を傷つける原因になることもあります。顔であればなおさら、こすると黒ずんでいきます。

顔の場合は摩擦黒皮症を生じるまでこする人はあまりいませんが、刺激黒皮症と呼ぷべきくすみを作ってしまっている人は多いようです。強いマッサージをしている人は特に要注意ですし、また、クレンジングのときにマッサージのようにこする人やクリームをつけるときにすり込む人なども、ほほ骨のあたりが黒ずんできていないか明るいところで一度よく見てみましょう。刺激黒皮症も摩擦黒皮症も、一朝一夕でなく何年もかけてできてくるものなので、自分では気づきにくいものです。摩擦でシミができることを知らない人が多いことも一因です。