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超音波マッサージとスチーム美顔器

マッサージをしたいならば、超音波マッサージ器を使うのも一案です。超音波マッサージ器は、美顔器の一種で家電店などで売られています。当てるだけで肌の奥から振動を与えてマッサージ効果を生み出すもので、引っ張ったりこすったりする恐れがないので慣れない方でも安全にマッサージができます。小ジワのほか、フェイスラインのたるみが気になり始めた方にもおすすめです。使い方は簡単。超音波マッサージ器に専用ジェルをつけて肌に軽く当てるだけです。少しずつ移動させながら顔全体に当てていきます。週に一~二回、10分程度使うとよいでしょう。

ただし、このようなケアでシワやたるみが「消える」というレベルまではなかなかいきません。自宅で行なうセルフケアでは、一度できたシワやたるみを消すことは困難であることを心得ておきましょう。シワやたるみはそう簡単に消えないのです。でも、消えないからと投げ出してしまえば老化は進行していくだけです。セルフケアには、老化を遅らせる効果は十分にあるので、正しく行なえば十年後、二十年後の肌は変わってきます。どうしてもシワやたるみを消すもしくは劇的な改善を望む人は、美容皮膚科でレーザーを受けるか、ヒアルロン酸・ボツリヌス菌などの注入治療を受けることを検討しましょう。

スチームを発生する美顔器が大人気で、携帯用のものまで出ているようです。いつもうるおった肌でいたいという女性たちの熱意の表れと思われますが、スチームでうるおすことには限界があります。スチームで肌にうるおいを与えても、それはもちろん自由水です。保湿成分が肌に足りていなければ、水を与えてももちろん分単位で蒸発してしまいます。粒子の細かいナノスチームであったとしても、自由水であることにかわりはありません。スチームはのどにはよいので、風邪予防には有効ですが、肌の乾燥対策にはセラミドなどの保湿美容液のほうがよいでしょう。

「下から上へ」は意味があるか

「下から上へ、顔を引き上げるようにマッサージするとよい」、「クリームなどを塗るときも下から上へ」とよく言いますが、これは正しいのでしょうか。皮膚は、下から上に引っ張っても引き上がるものではありません。肌にたるみが生じて老化とともに下がってしまうのは、肌全体の構造が変化したからです。真皮のコラーゲンが減ったり傷んだりして肌を支えきれなくなるために、下がってくるのです。ツバキの葉っぱはつんと上を向いていますが、柳の葉っぱはだらんと下がります。コラーゲンの構築が壊れてハリを失った皮膚は、柳の枝のように自分を支えられなくなって、垂れ下がるのです。

柳の枝をいくら下から上に引き上げても手を放せばだらんと下がるように、顔も手を放せやはり下がります。もしも柳の枝を上に向かせたいのであれば、支柱を立てる必要があります。硬いもので枝を強化してやれば、もちろん上を向くでしょう。肌も、下がるのが気になるのであれば、弾力を強化する必要があります。そのためにはコラーゲンを増やすためのレテノールなどのケアが必要になります。顔を下から上に引き上げようとしてぐいぐい引っ張っても、引きあがらないばかりかコラーゲンがさらにいたんでたるみを加速してしまう可能性があります。

首のシワを気にして下から上に引っ張るようなマッサージをしている人もいますが、引っ張れば引っ張るほど、後になってたるんできます。顔形を粘土細工のように変えられると思ってマッサージをレてはいけません。手で押し上げればたるみが引きあがるとか、引っ張ればシワが伸びるだろうという発想は、まるで粘土細工をいじっているかのごとくです。粘土のように顔の形を手で変えられればそんな楽なことはないのですが、実際には皮膚は内部に非常に緻密で繊細な構造をもち、かつ、生きているということを忘れてはいけません。

強いマッサージがシワを生む

肌の代謝を上げるにはマッサージ。引き上げるように、下から上へとよく言いますが、これは効果があるのでしょうか。マッサージの一番の効果は、血行促進。肌の血行が悪くなると、肌の再生がさまたげられ、シワなどの老化の原因になります。よって、マッサージはその予防にとても有効です。しかし、気合いを入れて強くマッサージをして、かえって肌をいためている人が実際多いようです。まず、マッサージでシワを引き伸ばしたりはできないということを、肝に銘じておきましょう。マッサージの効果はあくまでも血流をよくすることであり、肌のシワを洋服のシワのように引っ張ってのばすことではないのです。

シワは引っ張っても伸びません。肌の中には複雑なコラーゲンやエラスチンのネットワークがあり、これが崩れてしまうことがシワの原因です。洋服の繊維よりさらに肌の線維構造は複雑なので、手で伸ばしたりしてそのネットワークを元に復元することはできません。引っ張るとむしろ逆効果になることがあります。老化してもろくなったコラーゲン線維は、強く引っ張ると切れてしまい、さらに肌は弾力を失います。マッサージをするときは、クリームか美容液をつけて指すべりをよくしてから行います。

こすることもシミの原因になるので要注意です。中指と薬指の二本の指で円を描くようにクルクルと肌の上をすべらせていきます。このとき、皮膚にシワを寄せない程度の力で行いましょう。その程度の力ならば、シミやシワを悪化させることはありません。また、毎日してはいけません。マッサージをするなら、週に一回までにとどめましょう。上手に行う自信がない人は、プロの手にゆだねてみましょう。他人が行うマッサージならば心地よさは倍増。気持ちがよいと感じる刺激は、エストロゲンの分泌をうながすともいわれるので、若返り効果はさらに期待できますね。

肌をこするいろいろなケアに注意

コットンによるふきとり以外にも、顔をこするケアはいろいろあります。代表的なものをあげてみましょう。

①毛穴の奥から汚れをとるために、入念に時間をかけてクレンジングする
②ふきとり式のクレンジング(シートクレンジング、マスカラリムーバーなど)
③ふきとり化粧水やプースター化粧品
④スクラブ洗顔
⑤ブラシやパフを使った洗顔
⑥手でこするマッサージ

これらはいずれも摩擦が強く、肌の黒ずみ(刺激黒皮症)の原因になります。行っている人は、いますぐ改めましょう。角質ケアにせよマッサージにせよ、もちろんそれぞれのメリットというものもあるのですが、要するにやり方によってはデメリットの方が大きくなると大切な肌であるのに、デメリットの方を考えないで何でもすぐ実行してしまう人が多いのにいつも驚きます。「クレンジングでしっかり汚れをとる」「角質をとってくすみをなくす」「マッサージで血行促進」など、確かに個々にメリットはあると思われますが、何ごとも、メリットばかりというものではありません。

メリットばかりを強調する情報が、雑誌や美容本にあふれているのも問題なのかもしれません。「手のひらマッサージをすれば血行が促進されて肌の代謝が上がって若返る」などという話は夢があって女性にうけがよいのですが、いかなるケアをした場合も、肌の上で起こっていることは複雑な化学反応。プラスの反応ばかりでなくマイナスの反応も起こりうることを忘れてはいけません。例えば、「冷水で毛穴をひきしめる」なども最近人気の美容法ですが、これもネガティプな側面があります。

肌を冷やすと確かに一瞬、立毛筋が縮んで毛穴がひきしまったように感じるかもしれませんが、急な温度変化は毛細血管を開いてしまうので、冷水を頻繁にかけていると赤ら顔になる可能性があります。「これできれいになる」と聞くと、うれしくてつい飛びつきたくなるのは女心ですが、甘い誘惑に簡単にのってはいけないのです。よいと聞いてなんにでもすぐ手を出すのは、まるで甘い儲け話にすぐのってしまうような軽率な行為です。どんな情報も、その裏側を考えてみる慎重さが必要でしょう。あまたふりそそぐ誘惑から正しいものだけを選び、自分の肌を守るのはあなたしかいません。そのために必要なのは言うまでもなく、肌に関する知識です。

ふわふわのコットンも、濡れれば板のように硬くなります。これで肌を叩いたりこすったりすると長年の問に「刺激黒皮症」を引き起こし、肌が黒ずんでしまうので注意が必要です。化粧品はすべて手を使って、肌にのせるようにつけましょう。ふきとりタイプのメイク落しや角質ケアも、毎日続けると肌の負担になります。アンチ工
イジンクのための正しい角質ケアは、洗い流すタイプの(こすらない)ピーリンクコスメを使って。

こすることで真皮に黒ずみができる「摩擦黒皮症」

ナイロンタオルなどの硬いもので皮膚をこすると、皮膚が黒ずんでいくことがあり、これを摩擦黒皮症といいます。こすることで皮膚が炎症を起こし、炎症はメラニンを生み出すので、習慣的にこすっているとその部分が黒ずんでいくのです。背中をナイロンタオルでこするために×(クロス)状の黒ずみができてしまった例や、腕・鎖骨などその人の癖で力を入れて洗う部分が黒ずんだ例などが、多数報告されています。摩擦黒皮症は20年以上前に新聞などでも取り上げられ、当時はナイロンタオルはあまり使われなくなりましたが、最近また忘れられ、使われているようです。

摩擦黒皮症は真皮にまでメラニンが落ち込んでおり、消すことはかなり困難です。はっきりしたシミでなくグレーのツイード模様のようなまだらなシミを生じるのが、摩擦黒皮症の特徴です。何年もかけて少しずつ黒ずんでいくので、本人はなかなか気づかずに、かなり進行してしまうこともあります。体を洗うのはナイロン、麻、ボディブラシなどの硬いものを避け、綿などのやわらかいタオルを使うようにしましょう。手で洗うだけという人もいますが、ずっと手で洗っていると角質を十分とりきれず、要するにアカがたまるので、少なくとも週に1、2回はタオルで洗いましょう。

70代以上になれば皮膚も薄くなるので手洗いだけでも大丈夫です。必ずしも石鹸を毎日使う必要はなく、乾燥しない程度に自分で調節して洗いましょう。なお、絹のタオルという人もいますが、絹はものによっては刺激になります。絹は高級なイメージがありますが、着物やスカーフとは違うので、体を洗う素材として必ずしも絹がよいとはいえません。絹糸は丈夫で硬いので、編地の状態によっては肌を傷つける原因になることもあります。顔であればなおさら、こすると黒ずんでいきます。

顔の場合は摩擦黒皮症を生じるまでこする人はあまりいませんが、刺激黒皮症と呼ぷべきくすみを作ってしまっている人は多いようです。強いマッサージをしている人は特に要注意ですし、また、クレンジングのときにマッサージのようにこする人やクリームをつけるときにすり込む人なども、ほほ骨のあたりが黒ずんできていないか明るいところで一度よく見てみましょう。刺激黒皮症も摩擦黒皮症も、一朝一夕でなく何年もかけてできてくるものなので、自分では気づきにくいものです。摩擦でシミができることを知らない人が多いことも一因です。